2010/06/19 17:31 | CATEGORY : 建築/インテリア
「世界平和記念聖堂/村野藤吾」
建築インテリアデザイン学科のFUKUMOTOです。
順調に建築探訪を更新していきます。
今回は広島に建つ、村野藤吾設計の世界平和記念聖堂を訪れたときのことを紹介します。

この教会は、広島におけるカトリックの拠点となっている。
もともとこの地には幟町教会が建っていたが、空襲により倒壊した。当時の幟町教会の主任司祭だったドイツ人神父フーゴー・ラサールは被爆したが、奇跡的に生き残り、司祭の熱意によってローマ法王をはじめとするキリスト教世界の支援の元、「世界平和記念聖堂」として再建された。
ラサール神父は建築家今井兼次に相談し、コンペで聖堂の設計者を選定しようと決めた。しかし、応募総数177点に対して、1等なし、2等が丹下健三と井上一典、3等が前川国男や菊竹清訓ほか…という結果に終わったのだった。
1等案なしの理由は、モダニズムとしての完成度が高いが”コルビュジェ色”が強い丹下案・前川案の評価を巡って意見がまとまらなかったためだという。そのため、審査員の一人であった村野藤吾自身がが設計を行った。


ファサードは、RCの躯体に灰色の煉瓦を積み上げて構成されている。また、ファサードの下部には、円鍔勝三氏による彫刻も飾られている。


訪れた時間帯が昼だったからか、内部は照明が落とされていた。しかし、壁にあけられた開口部から、ステンドグラスを通して自然光が差し込んでくるため、あまりくらいとは感じなかった。
この教会は、以前紹介した「東京カテドラル聖マリア大聖堂」とは全く異質の雰囲気。その用途は同じであっても、感じ取れる雰囲気はまったくの別物といってもいいくらいでしょう。
宗教建築は、他の建築では味わえない「独特の雰囲気」というものを持っているから気持ちがいい。
■設計:村野藤吾/村野・森建築事務所
■竣工:1954年
■構造:RC造・W造3階
■所在地:広島県広島市中区幟町4-42







