【業界セミナーレポート】人気イラストレーター有田 満弘氏によるライブペイントセミナー【グラフィックデザイン学科】

2015.05.13

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話をしながら絵を描きあげていくライブペイントセミナー。
「頭に思い描いたイメージを表現しようと意識することが大切」

2015/4/25(土)、ドームホールで開催されたイラスト・グラフィックデザイン業界セミナーでは、ペンタブレットメーカー・株式会社ワコム協力のもと、イラストレーター・有田 満弘氏によるライブペイントセミナーが開催されました。
有田氏は「ポケモンカードゲーム」シリーズのカードイラストや、「劇場版ベルセルク黄金時代篇」の世界観設定、小説「ファオランの冒険」のイラストなど、代表作品を多数持つ人気イラストレーターです。その作風は「緻密でリアル」と称されることが多いそうですが、ご本人は「決して写真のような絵を描くことをめざしているわけではない。その絵を見た人にどんな気持ちになってほしいかを考え、それを目的に描いています」と語ります。

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ワコム社の液晶タブレットCintiq22HD Touchを使って、みるみる描きあげられていくイラスト
ライブペイントというとおり、セミナーはワコム社の液晶ペンタブレットCintiq22HD Touchを使って、有田氏がイラストを描きながら話をするというスタイル。スクリーンに映し出される有田氏の手元のようすと、みるみる描き上げられていくイラストに、学生たちは見入っていました。

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ずっとやっていくうちにイメージしたことが表現できるようになるのが、絵の楽しさであり喜び
話をしながらこれだけ緻密なイラストが描けるのは、表現したいもののイメージが頭の中で完成されているから。「何事もやみくもにやるのではなく、目的をはっきりさせて、その目的を達成するために行動することが大切」と有田氏は言います。例えば絵を描く道具も、それを使ってできることを考えるのではなく、自分が思い描くイメージを実現するには何を使えばいいのかを考えるのだそう。アナログの筆で描いたほうがイメージに近づくのであれば、筆で描いてデジタルに取り込むこともあると言います。そして「自分のイメージを実際に形にするのは簡単ではない。でも、ずっとやっていくうちにイメージしたことが表現できるようになるのが、絵の楽しさであり喜びです」とも語る有田氏。

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ワコム社の液晶ペンタブレットCintiq22HD Touchを体感
セミナー会場にはワコム社より学生のためにペンタブレットも用意され、「まず思い通りに○(マル)を描く難しさを体験してほしい」という有田氏の言葉を、実際に触れながら体感していました。

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セミナー終了後には有田氏と直接触れ合える時間も
セミナー終了後には、有田氏への直接の質疑応答の時間が設けられました。学生たちからの質問に対して真摯にお応えいただきました。また、有田氏に普段のスケッチを見てもらいアドバイスを受ける学生たちもいたりと刺激が多く中身の濃い1日となったようです。

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いろんなものを見て、経験して、自分の感性で
世界を感じよう。そのために役立つのがスケッチ。

イラストレーター
有田 満弘氏

例えば「夕焼けを描こう」と思ったとき、今はGoogleで検索すればすぐに夕焼けの画像が手に入ります。でも、その画像はすでにデジタル処理が施されているかもしれません。すると、それを見て描いた絵は、やはりどこかデジタルっぽくなってしまいます。自分の目で本物を見て、自分の感性で感じたことを盛り込まなければ、見る人の心に刺さる絵は描けないのです。学生のうちはもちろん基礎的な技術を身につけることは必要ですが、それと同時に、日頃からいろんなものをスケッチすることをお勧めします。これは絵が上手くなるためではなく、自分の感性で世界を感じる訓練になるからです。人間がコンピュータに勝てなくなる日がくることも現実味を帯びてきている現在、実際に見たり、聞いたり、触れたりした経験や、そこから培われる感性こそが、人間の武器になるのだと思います。

【関連ページ】
・有田 満弘氏オフィシャルサイト
・株式会社ワコム
・ワコム社の液晶ペンタブレットCintiq22HD Touch
・グラフィックデザイン学科
・オープンキャンパス&体験入学

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