【3月-9月開催・3DCG業界セミナーレポート特集12】ルーデンス代表 増尾氏による3DCG業界セミナー開催

学校からのお知らせ

2015.10.09

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実際のCMや映画のメイキング映像で見せる、CG世界の魅力!

2015/8/29(土)、CMや映画のCG・VFX(Visual Effects:視覚効果)を手がけるルーデンスから代表取締役の増尾隆幸氏にお越しいただき3DCG業界セミナーを開催。セミナーでは、作品のデモリール紹介を中心に、適宜メイキングも交え、実写にCGがどのように組み合わされていくのかといったプロセスを詳しく解説くださいました。
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新車のCMでは、撮影時は商品が未発表のため実物が使えないことが多く、別の車で撮影したのちにCGに差し替えるといいます。映画では、人が激しく跳ね飛ばされたり刃物で傷つけられたりするようなシーンも、CGによって、リアルで思わず目を覆いたくなるようなシーンに仕上がります。「CGは不可能を可能にするためのもの」であると増尾氏は言います。しかし、コンピュータが勝手にするわけではなく、クリエイティブな要素の大半は人の能力によるものです。最近はコンピュータもソフトも進歩し、システムに依存した絵づくりが多くなっていると指摘。「絵づくりはアイデアと発想(とんち)である」と増尾氏。また、ゲームだけ、アニメだけ、といった興味の範囲が狭い人もダメで、例えば昔の名作に向き合ってみることも必要だと言います。10年以上前に増尾氏がCGを手がけた作品も多数紹介され、知る人にとっては懐かしいCMばかりでしたが、初めて目にする学生たちにとっては非常に新鮮に映ったようです。「人の目はこんなふうに簡単に錯覚を起こします。だから絵なんてウソでもいいんです。絵づくりとは、いかにうまくウソをつくかがポイント」。

優秀なCGクリエイターに最も必要なのは「想像力」。「自分の好きなものをつくるのが仕事ではありません。クライアント、スポンサー、視聴者、そして監督が、何を求めているかを想像し、適切な答えを返すのが仕事に一番求められることだからです」と締めくくりました。セミナー後も長時間にわたって学生の質問に答えてくださいました。

セミナー終了後は楽屋で1年生の個別質疑希望者に対して丁寧に対応いただきました。
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株式会社ルーデンス
代表取締役/CGディレクター/VFXスーパーバイザー
増尾隆幸氏

私は小さい頃から映像が大好きで、テレビ放送やSF映画など、映像の変遷、発展と共に成長してきたんです。昔テレビで見たあるCMの映像に衝撃を受け、CM制作の世界に引かれるようになりました。元々はフリーのイラストレーターでしたが、昔は決して一人ではできなかった映像が一人でつくれる、それがCGであり、まさに不可能を可能にするものだと思いました。

想像力が大事だと強調しましたが、これは難しいことでもなんでもなく、「人に喜んでもらうにはどうすればいいか?この人たちは何を求めているのか?」に思いをめぐらせるだけです。優秀なクリエイターは、「想像力とは?」なんて意識せず、日々当たり前のようにこういう思考を繰り返しています。

CG出身のディレクターや監督というのは業界ではまだまだ少ないのですが、今後、CGを手がける人たちが主体となって映像制作ができるような環境づくりを目指したいと思っています。私も、自分が監督となって作品をつくるのが目標です。

関連リンク

ルーデンス公式サイト
3DCGアニメーション学科

 

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