ゲームソフト分野 進級・卒業作品発表会「DigitalWorks2016-2017」を開催しました

学校からのお知らせ

2017.03.07

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カプコンなど多数のゲーム会社の方が見守る中、
磨いた技術を披露しあう。

2017/2/9/(木)神戸新聞松方ホールで、進級・卒業作品発表会「ゲームソフト分野DigitalWorks2016-2017(デジタルワークス)」が開催されました。

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1~3年生の作品の中から事前に行われた予選会を勝ち抜いた、15の優秀な作品が大型スクリーンに映し出され、作り上げた学生によるプレゼンテーションが行われました。1年生は学んだ成果をいかすことを目的に、2年生は就職活動を視野に入れ、3年生は就職後を意識した卒業制作として、指導する教員のアドバイスを受けながら、いずれも数か月かけて作り上げました。

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有名ゲームメーカーなどの企業からお越しいただいた来賓の方々をはじめ、教職員・在校生・保護者といった大勢の観客が見守る中、発表者は緊張感を漂わせながらも自信に満ちた表情で作品の特徴を説明しました。各学年の発表が終わるごとに、作品を制作した学生全員が壇上に並び、来賓の企業の方から講評をいただく時間も設けられました。

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1年生による2Dアクションゲーム。独特なゲームの世界観・ギミック(仕かけ)に評価を得ました。

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2年生による3Dレースゲーム。ステージの設計を簡単にするために専用エディタを開発したことに評価を得ました。

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2年生による3Dダンジョンアクションゲーム。高品質の描画エンジン(プログラム)の開発で評価を得ました。

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3年生によるオープンワールドアクションゲーム。開発難易度が高いとされるゲーム設計・開発に評価を得ました。

1年生の5作品はスクロール型2Dアクションゲーム。学んだ技術を発揮するだけでなく斬新なアイデアも散りばめられ、講評では「1年生の作品とは思えないハイクオリティなゲームに仕上がった」と絶賛される作品もありました。
2年生の8作品は3Dアクションゲームで、シューティングゲームやレーシングゲームも登場するなどバラエティ豊かな構成となり、磨き上げられた技術が光る作品が並びました。
3年生の2作品は、就職内定を勝ち取っている学生たちが手がけているだけあって、アイデア・クオリティともにさすがの出来栄え。観客も発表者の説明を聞きながら、じっくりと見入っていました。

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来賓であるゲーム会社の方々による審査。
その結果が発表される、緊張の瞬間。

全作品が発表された後、来賓の方の投票により、最優秀作品に2年生の石橋 仁さんが制作した「BREAK DOWN(ブレイクダウン)」が選ばれました。2年生の個人で制作された作品ということで、発表と同時に大きな歓声があがりました。
また、新人賞に1年生グループのNameless(ネイムレス)が制作した「Skeleton(スケルトン)」が選ばれ、最優秀作品にはトロフィーおよび表彰状と副賞、新人賞には表彰状と副賞が、福岡校長より贈られました。

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受賞者からのコメントと
それを見守った先生、業界で活躍する先輩からのコメント

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困難を乗り越えて完成させた作品だけに、
評価をいただけてうれしいです。

新人賞受賞者
作品名:「Skelton」
チーム名:Nameless
メンバー:
川嶋 巧馬(兵庫県/有馬高等学校出身)【発表者、リーダー】
竹口 明伽(兵庫県/洲本高等学校出身)
久万田 祐至(高知県/伊野商業高等学校出身)
平野 嵩典(岡山県/高梁城南高等学校出身)
東 敦也(愛媛県/南宇和高等学校出身)

素直にうれしいです。実はメンバーが1名減ってしまい、それをカバーするのが大変でした。でもチームワークが良くて、もめることなく全員で完成に向かって進むことができました。最後は大好きなゲームをみんなで我慢して、追い込んで開発をしていました。これからゲームをたっぷり楽しみたいです。

「質問が多いチームは優秀」を見事証明しましたね。

20170209_gameDW15-2担当教員インタビュー
黒﨑 翔馬先生

新人賞は別のチームかもしれないという予想を、いい意味で裏切って獲得してくれました。コツコツと開発していたチームで、よく質問をしに来ていたことも要因だと思います。少し開発の速度が遅いと心配しましたが、最後によく追い込み、頑張りました。チーム制作を通して難題をクリアしていったことで、しっかりとしたプログラミングの技術が身についたのだと思います。

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2年生で、この賞を獲得できたことは大きな自信につながります。

最優秀作品受賞者
作品名:「BREAK DOWN」
作者名:エンターテインメントソフト学科2年 石橋 仁さん(香川県/高松高等学校出身)

この最優秀作品をいただけたことを胸に、今後も頑張っていきたいです。レースゲームをプレイするのが好きだったので、どうせなら好きなものを作るほうがモチベーションも上がると思ったんです。一人で作る良さは、イメージの共有や意思疎通を図る心配がないこと。他の人の意見を聞かずに決定が早くできることも大きいと思います。デメリットとしては、プログラムで悩んだときに知識が豊富なメンバーもいないので、ネットで調べたり、先生に頻繁に聞きにいかないと解決できないこと。そんな中で先生からいただいたアドバイスが、背景が暗い中でも回路模様や光が目立つサイバー感を出すことに大いに役立ちました。自分が一番こだわった部分だったので仕上がったときはうれしかったです。

人の意見を素直に聞き入れる「勇気」を持てば成長できる。

20170209_gameDW16担当教員インタビュー
生島 大先生

よく質問に来てくれる学生で、頑張る姿をいつも見ていたので、努力が成果に結びついたことを祝福したいです。石橋さんは頻繁に相談に来て、いろんな意見を吸い上げて作るタイプ。制作者は自分が作ったものを変えたくないと思いがちですが、石橋さんは、客観的な意見を言うと素直に受け入れて変えていくことができたんです。勇気がいることですが、それを知っているので私も感無量ですね。こういった発表では、見せる相手によって内容を変えるのがポイントになるんです。今回は、企業の方もいるということで、「レースゲームで派手」というだけでなく、売りだとか、作り方、使っている技術をいかにうまく説明するかが大切でした。その点では、いかに効率よく作ったかをアピールできたことが大きかったと思います。

また、当日は来賓として、株式会社カプコンで活躍中の卒業生にも来場いただき、後輩たちへのメッセージもいただきました。

ゲームは、ユーザーへの「ホスピタリティ」を考えたうえで、
自分が楽しみながら作ること!

20170209_gameDW17株式会社カプコン
第2制作部 プログラマー
卜部 有樹さん(本校 エンターテインメントソフト学科 2009年卒業)

学年ごとに特色が出ていましたね。1年生は2Dゲームが主でしたが、細かい部分まで手が届いていましたね。特に「Skeleton」と「Silent Night」は世界観を上手く構築する事も出来ていて驚きました。
2年生は、3Dを学んで表現力を手に入れたはずですが、作業が大幅に増えてパンクしてしまったのかもしれません。まずは、自分がやりたい事・コンセプトを明確にする事を意識して、3Dの知識を身につけながら、今の自分のレベルの中で無理せず、しっかりと作り上げてほしいです。「Magician’s Dungeon」「BREAK DOWN」の2つは、プログラミングを世界観の構築や、自分はこう見せたいという部分に昇華できていました。ゲーム制作のテクニックを鍛えれば、いい開発者になると思います。
3年生は、決まっている事から、いい意味で開き直って好きなことをやろうという思いが伝わりました。

そんな中で、足りないと感じたのは、ユーザーを思いやる「ホスピタリティ」。「遊んでもらう人」、この発表の場では「見てもらう人」への気遣いが足りない。「操作説明」を出す、「見た目がチラつかない」といった配慮は必須です。社内の新人研修でも、「プログラマーで重要なのはスキルよりも、まずはホスピタリティだ」と言っています。学生の皆さんには、技術力と共に人間力もあわせて高めていって欲しいです。ゲーム業界はまだまだ進化を続けています。ゲームを作りたいという熱い思いがあれば、この業界をめざす価値は絶対にあると思うので、頑張ってください!

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