【セミナーレポート】『ウルトラマン』シリーズで知られる株式会社円谷プロダクションによる業界セミナーを開催しました。

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2017/8/11(金)、北野館のホワイエにて、電子工学・工業デザイン・3DCGに興味のある人を対象に、『ウルトラマン』シリーズをはじめ数々の特撮を手がける株式会社円谷プロダクションによる業界連携セミナーを開催しました。

「ウルトラマン」が格好良く動き、造形物が美しく輝くために!
伝統の電飾技術と最新3Dを駆使した造形テクニックを徹底解説。

円谷プロダクションから、IP企画製作部の澗淵隆文氏と小島巧氏が登壇。両氏が所属される「LSS」という部署は、「Light(光)・Sculpture(造形)・Studio(工房)」の略称であり、ウルトラマンには光輝く造形物が多いことがその名にも示されています。セミナーでは、ウルトラマンの映像作品やヒーローショーで実際に使用する造形物の電飾技術や、3Dデータを使った各種造形の事例を大画面に映し出しながら解説。実際に撮影で使用されているプロップ(小道具)もお持ちいただき、その電飾が点灯した瞬間には、会場から「おーっ」という声が上がりました。また、映像作品に使用された電飾の造形物が、そのまま玩具としてアレンジされて商品になる例も紹介されました。ウルトラマンシリーズの中でそれらの売り上げが評価の対象にもなるという話に、学生たちはメモを取りながら聞き入っていました。

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「3Dデータを応用した活用例」の紹介では、怪獣の骨を商品化したグッズの3D データを玩具メーカーから入手し、その怪獣が化石化した「化石プレート」を新しく考案して3Dプリンターで出力したものを「ウルトラマンフェスティバル」で展示した事例なども説明されました。LSSではこのようなフィギュアなどのメーカーと共同での商品展開を積極的に行っているとのこと。また、同フェスティバルで展示された「ウルトラマンジード」の3.6mという巨大立像を作り上げた工程も説明され、スケールの大きな作品に携わる方たちの仕事ぶりを目の当たりにした学生たちの表情は真剣そのものでした。

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次に、電飾技術を使った造形物について解説。担当する小島氏は「光ったり動いたりする造形物を多用するのは、円谷プロダクションならでは。日本版のゴジラの目は光らないけれど、ウルトラマンなどのキャラクターの目は光る」というお話で会場を沸かせました。LEDなどの技術の発達で昔に比べるとできることが増え、新しいものを取り入れられるようになったとのこと。そんな環境の中でも気遣う部分が多いという、キャラクターの着ぐるみ(スーツ)に電飾を入れる注意点を教えていただきました。俳優(スーツアクター)が装着して演技を行える状態に保つことや、発汗時の防水対応といったデリケートな技術も必要で、電飾が熱くならない対策や防炎といった安全面に最大限の配慮を施しているのだそうです。また、映像で格好よく見える動きができることや、電飾がキレイに映ることもエンターテインメントとして求められているとのことでした。

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日本を代表する特撮番組の製作現場について詳細に知ることができ、学生たちにとってはまたとない特別な時間となりました。セミナーの終了後には、両氏の楽屋にて、個別に質問をしたり、アドバイスをいただく時間も設けていただきました。

tsuburaya04-2-2技術革新に適応するため、
何にでも興味を持って動ける人に。

株式会社円谷プロダクション
IP企画製作部 LSS
アシスタントマネージャー
澗淵隆文氏

専門学校時代にSFXブームがあり、映画をよく見ていたんです。この業界をめざそうと思ったのは、ハリウッドの最新技術を使った映像に魅せられて、こんな映像を作ってみたいと思ったのがきっかけですね。当時は、こういう仕事を教えている専門学校は無かった為、上京して、映像関連のものづくりの仕事の部署がある会社を自力で探して面接してもらったんです。先人たちが人気を保ってきたウルトラマンのような有名な作品に携わり、エンドクレジットなどに名前が載り、後世にも残ると思うと正直にうれしいですし、責任の重さも痛感します。この世界も昔はハンドメイドでしたが、3Dなどの技術革新で、それまでの知識や技術だけでは通用しなくなっています。学生のみなさんには、いろいろなものに興味をもって首を突っ込んでみる積極性を身につけてほしい。それがきっと、進化する時代にも適応できるパワーになるはずだと思います。

tsuburaya05-2-2ヒーローショーでの歓声に、
やりがいを実感。

株式会社円谷プロダクション
IP企画製作部 LSS
機電担当
小島巧氏

小さいころからウルトラマンを見て育ったこともあり、その現場で働くことへのあこがれの気持ちがありました。弊社には造形を希望して入ったんですが、電飾の仕事が思っていた以上に重要だと実感しています。上司から指導してもらう中で、いろいろと知識や技術が必要なことを実感しつつ、少しずつ自分でものづくりができるようになり自信も身についてきました。スーツアクターがヒーローショーで俊敏に動き、自分が作った造形物がキレイに光ったときに子どもたちの歓声が沸き上がると、やりがいを感じますね。自作の造形物が数多く商品化されたり、注目を浴びる造形物を考案することがひとつの夢です。学生時代にプログラムを学んでいたことが、今の仕事に活かされており、ものを創造するという意味でムダになる学びはなかったと実感しています。学生のみなさんには、たくさん学べるこの時間を大切に過ごしてほしいと思います。

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