【ゲーム・3DCG業界セミナー】(株)ジークラフト×クラフトリンク(株) 「スマホゲーム開発の未来を語る!」

学校からのお知らせ

2018.01.15

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20年以上ゲーム開発を手がけるデザイナーと、SNSゲームの
コンサルタントが語る、「スマホゲーム開発の未来とは」

2017年7月2日、北野館のソニックホールにおいてゲームソフト分野の業界セミナーが開催されました。株式会社ジークラフトの代表取締役でゲームデザイナーの土田俊郎氏と、クラフトリンク株式会社の代表取締役でゲーム開発コンサルタントの宮木和史氏にお越しいただきました。
土田氏は20年以上ゲーム開発に携わり、家庭用ゲーム、ガラケー携帯用ゲーム、スマホ(SNS)ゲームの分野で仕事をし、その進化を体験されてきました。宮木氏は、企業などの経営コンサルティングの仕事からゲーム開発職を経て、現在SNSゲーム開発のコンサルティングを行っておられます。

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今回のセミナーのタイトルは「スマホゲーム開発の未来とは」。ゲーム開発の現場の実態を知るのが大きなテーマです。「みなさんが挑もうとしているゲーム業界とはどんな世界なのかを認識し、学校でどんな勉強や準備をすればいいのかをイメージする時間にしてほしい」と2人は口をそろえました。

まず「マーケットの状況」について、ソーシャルゲームやスマホ向けのアプリが市場全体をリードし、ゲーム市場は鈍化しながらも成長は続いていると解説。土田氏は、「大人も電車の中などでスマホでゲームを手軽に楽しめるようになり、裾野が広がった」と話しました。

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そして「ゲーム作りの現状と未来」について、学生たちに挙手によるアンケートを実施。家庭用ゲームを制作したいという学生が多いという結果を受けて、「スマホゲーム市場拡大の現状を見ながら選択肢をもっと広げてほしい」と、2人は呼びかけました。土田氏は「家庭用ゲームもゲームソフトを売るだけではなくリリース後にダウンロードコンテンツを追加配信するなど、今やオンラインと家庭用ゲームは切り離せない。一方でスマホは、家庭用ゲームと同じ表現ができる技術が確立してきた。今後は収益性を含めた企画が一番重要になってきたと感じる」と語りました。

ゲーム業界の未来を見据える両氏が思う「求められる人材」とは?

さらに「ゲーム業界に求められる人材」について宮木氏は、「WILL(やりたいこと)、CAN(できること:能力・技術・知識)、MUST(やるべきこと:会社のミッション・ビジョン)の3つの領域の重なる部分が多いほどパフォーマンスが上がる。能力は後でも向上できるので、まずは学生の間に“やりたいこと”をしっかり見つけてほしい。いろいろなものに興味を持ち、自分以外の価値観を持った人と積極的に話をする。そういうことを繰り返すうちに、“やりたいこと”の輪郭がくっきり見えるようになる」とアドバイスもいただきました。
参加した学生たちにとっては、将来、ゲーム業界をめざす上で、最も大切な「現状」に触れることができる貴重な時間となりました。

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難題が出てきても逃げないことを意識しています。

株式会社ジークラフト
代表取締役 ゲームデザイナー
土田 俊郎氏(写真左)

ゲーム開発を20年以上続けていますが、この仕事にかかわったきっかけは部署移動という偶然。最初はソフトウエア系の会社にゲームとは関係のないプログラマーとして入り、1年後に異動になったのがゲームの部署でした。「面白いと思ったものを作って、その反応が得られる仕事をサラリーマンでできるなんて」と、魅力を感じて以降はゲーム一筋。ルールやバトルを考えることが好きですね。ゲーム作りで一番面白いと思うのは、ユーザーが心地よい達成感を得られるような演出をすること。自分がリーダーとして世の中にコンテンツを送り出してうまくいった理由を考えることがあります。難題が出てきても逃げず、担当者に正直に話すということです。人間関係がモノづくりをぼやけさせることがあるので、そこを徹底させることを意識しています。

やりたいことを早く見つけて、そのためのスキルを磨こう。

クラフトリンク株式会社
代表取締役
宮木 和史氏(写真右)

最初は普通の経営コンサルティングをしていましたが、ガラケー向けにゲームを開発する企業の仕事にかかわってゲームの仕事の面白さに気づいたんです。そこでゲームのプラットホームが大切だと考えてグリーに就職して、収益性を高めるにはノウハウがあると実感しました。それを多くのゲーム開発者に伝えたくて独立したんです。土田さんとは、お互いグリーを卒業してから共通の知人を介して出会い、今も一緒に仕事をさせていただいています。今の仕事を続けていくうえで、日ごろのインプットの量を増やすことは意識し、ゲームやアニメ、本など多くのコンテンツに深く触れるようにしています。今後は、海外の技術者とのかかわり方も含めて、日本のモノづくりの環境をより良くしていく取り組みを進めていきたいと思っています。学生のみなさんには、自分が得意とする分野がどこであるかに早く気づいてほしい。気づいたら、そこを高めるための努力を始めることができますから。

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