5/2 (日)16:18~

クリエイターズトークセミナー 古賀学氏+feebee氏+TOKYOGUNS氏(後編)

※体験授業もセットで受講できます。

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2010年5月2日「神戸電子専門学校」エントランスホールにて
【イベントレポート】クリエイターズトークセミナー 古賀学+feebee+TOKYOGUNS(前編)はこちらからご覧いただけます。

この日は、神戸電子専門学校を会場にしてのACF(アジアコンテンツフェスティバルin神戸)の二日目。ヤングクリエイターズアワード2010の審査員として、初日のオープニングセレモニーから参加いただいた古賀学(映像作家)さん、feebee(イラストレーター)さん、TOKYOGUNS(イラストレーター)さんの3名による、スペシャルなトークセミナーが行われました。進行はNORISHIROCKSのアートディレクター、齋藤貴義が担当。今回は、その後半戦。現在、デザインの最前線で活動する3名による豪華なトークセッション+実際にキャラクターをその場で作ってみよう、というワークショップ形式で行われた模様をお伝えします。

●キャラクターの生み出される過程とは

齋藤 ここからは、学生の皆さんも一緒に、キャラクターのデザインを考えてみようと思います。で、その前にちょっとお話をさせていただきます。みなさん、フィリックス・ザ・キャットというキャラクターをご存知でしょうか?今ではグッズや、チューインガムのキャラクターとしてもおなじみだと思うんですが、デビューは1923年です。これが、アメリカで人気になり、映画になったんです。実写の女の子とアニメの合成作品なんですがそれが「Alice Comedy」という作品です。ただ、これ、ジュリアス・ザ・キャットいう名前なんです。正式なフィリックスではなかった。これを作ったのが、ウォルト・ディズニーなんです。

齋藤 で、フィリックスの権利者から抗議を受けたので、新たにオズワルド・ザ・ラッキーラビットという新しいキャラクターを作る事にしたんです。これが、アブアイワークスというデザインチームとの共同作業だったんですが、まあ、なんというか、かなり似ているんですよ、某有名キャラクターに(笑)

齋藤 キャラクターというのは、そういうものなんです。さきほどの話ともリンクしてきますが、違う物語を背負う事で、別のキャラクターになるんですよ。ミッキーマウスというキャラクターには、物語がちゃんとあって、似てるかもしれないけど、別のキャラクターなんです。今日、ぼくが言いたかったのは、世の中にあるキャラクターデザインなんて、そんなに変わらないよ!という話なんです。

齋藤 今、テレビで放送されている人気アニメとかあるじゃないですか?それだって、70、80才のおじいちゃんおばあちゃんにとっては区別つかないと思うんです。綾波レイと涼宮ハルヒはたぶん一緒に見えるんじゃないかな?

古賀 長門有希と綾波レイは一緒に見えますね。

齋藤 (笑)似てますもんね。でも、背景にある物語が違う事で、別のキャラクターになるわけです。

古賀 むしろ、今のアニメの見方としては「この作品の中で綾波のポジションは誰?」という風に考えちゃいます。

feebee そう、役者じゃないけど立ち位置が重要ですね。

齋藤 さきほどのみなさんのお話を伺っていて、キャラクターを作るってことは、物語を作るって事なんだな、と思ったんです。見た目だけでいうと、そんなに大きな問題はないのかな?と。

古賀 ガンダムに出て来た戦艦ホワイトベースも、そもそもは違うアニメ作品のためのデザインだったんですよ。それに設定がついたら、ガンダムのメカに収まったというところもあるし。イラストレーターの皆さんを前に、ひどい事を言うようですが、絵はあんまり重要ではない?(笑)

feebee 絵を補えるところが、キャラクターの良い所かもしれませんね。

●プロセスから観たキャラクターづくりの本質

齋藤 では、ここからは実際に、この場でキャラクターを作る実験をしてみようと思います。こちらをご覧下さい。アジアコンテンツフェスティバルin神戸のマスコットキャラクター、ツクリタイガーです。

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齋藤 今日用意したのはツクリタイガーの福笑いです。クイズとかではないので、元がどんなだったか?という事は忘れて下さって結構です。この福笑い、やってみよう!って方、会場にいらっしゃいますか?

(生徒の挙手)

齋藤 では、こちらのマウスでパーツを、自分の好きな位置にドラッグしてみてください。目と、鼻がありますので。

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古賀 これ、似せる必要はないんですね。

齋藤 自分が、かわいいかな?と思う位置に置いて下さっていいですよ!

(学生がトライ、完成しました)

齋藤 おお、なるほど!完成しましたね。クリエイターのみなさんいかがですか?

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古賀 これ、初めて見たら別に、これはこれで納得しますよ。

TOKYOGUNS なんか、性格が変わりましたね。目鼻の位置で、性格がだいぶ変わって見えますよ。

feebee さきほど離した黄金比のような話で、正解、不正解ではないですね。元のデザインだと、襲ってきそうな感じもしたんですが、こいつはボーッとしてますよ。平和的なキャラクターになってますね。

TOKYOGUNS 作った本人に聴いてみたいですけど、どんな感じにしたいと思いましたか?

学生 マヌケな感じにしたかったです。なので、目と目を離して……。

TOKYOGUNSなるほどね、目が離れると草食系になるからね。

古賀 トラなのに!(笑)肉が食べられない。

feebee そういう設定画加わると、キャラクターがまた、違って見えますね。草食系肉食動物。キャラクターと本人ってリンクしてきますね。

齋藤 古賀さん、今度やってみませんか?今度は目、そのものを描いちゃってくださいよ!

(古賀、目を書き込んで完成)

齋藤 おお!鼻はない?

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齋藤 まあ、さっきのが記憶にあるから鼻がないのが気になりますが、初見だと、こういうものに見えますね(笑)feebeeさん、これ、批評して下さい(笑)

feebee 一気に、宇宙から来た感じのイメージになってますね(笑)。自分だったら、どうなのかな?と思ったときに、目すらいらないんじゃないかと思ったりしました。そういう不思議なキャラという事で。口が特徴ありますから、パーツで目立つ部分が残りさえすればそれでいいんじゃないかとも思いますね。

齋藤 なるほど。

古賀 キャラクターとしては、それでも成立しちゃうと。

齋藤 こうなったら、TOKYOGUNSさんにもお願いしましょうか?

(TOKYOGUNS、目を描いて完成)

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齋藤 おお!今度はだいぶ印象がワイルドに。

古賀 TOKYOGUNSさんの絵になりましたね!

feebee めちゃ肉食系!野菜食べない!

TOKYOGUNS これ、ぼくの内面ですね。もはやツクリタイガーというよりも、コロシタイガーとか(笑)

古賀 パーツだけなんですけど、もはや、まるで似てない。

feebee 色んなキャラクターが増やしていけますね。一番最初に作ってもらったのがネムタイガーとか(笑)

齋藤 やっぱりキャラクターの顔ってモンタージュだと思うんですよ。元のキャラクターと比べて、パチモン的な部分はないですよ。ちなみに今、上海万博のキャラクターが「既存のキャラクターのパクりだ」という事で話題になってましたが、あれ、どう思います?

feebee 特に、パクリという感じはないですね。

古賀 これといって「いいキャラクター」とは思わないんですが、あれは、あれでいいと思うんですよ。

齋藤 あれがパクリだという事になると、世の中のキャラクターのほとんどがパクリになりますから。あんまりパクリを恐れない方がいいんじゃないかとも思います。

feebee どこまでがパクリで、どこまでがニュアンスなのか?という線はあると思うんですが、作者が、バックグラウンドを用意して見せて行けば、キャラクターというのは、そのバックストーリー込みで提示しやすいですよね。それと、自分の作品だ、と主張するために重要なのは、オリジナルのあるものをアレンジしようという事ではなく、個性を生もうとする意思です。

古賀 そこがオリジナルであればいいんですよね。

feebee 自分の中で世界が作れているなら、恐れる必要はないんじゃないかな?と思います。

齋藤 丸を描いて、耳を描いて、あとは目鼻口で、どれだけバリエーションが作れるか?というのを試してみると、以外とキャラクターって作れちゃうんじゃないかと思うんですよ。

TOKYOGUNS 目と口のバランスで、やたら悩んで何度も書き直したりしそうですけどね。

feebee ありますね。日によっても違うし。

TOKYOGUNS ほんのちょっとのズレが気になったりしますよ、たぶん。

古賀 「ガンダム占い」も実は、最初「目」がほんのちょっと小さかったんですよ。で、なんかキティに似てないか?という感じになって、修正したんです。サンリオっぽかったんですよ、最初(笑)

feebee 色合いもそうですからね、なるほどー。

TOKYOGUNS 顔の横のインテイクも、なんかヒゲに見える(笑)

古賀 目をほんの少し大きくして、ハイライトの白を入れて、違うキャラですよ!という事を主張したんですけど。

齋藤 ガンダムの記号で作られていますが、フォルム自体は別ものですよね。

feebee さっきのツクリタイガーの話でいうと、特徴的な口だけ残して、あとは作り替えた、引き算的なキャラクターという事ですよね?

齋藤 TOKYOGUNSさんは、お仕事でミッキーマウスやポパイのイラストもお描きになってまうすよね。元々あるキャラクターを描くときに気をつけている事ってどんな事ですか?

TOKYOGUNS ぼくは、逆にどこまで壊せるか?と思います。どうせ監修が入るんだから(笑)どこまで広げられるか?に挑戦してるところがあります。その一方で、オリジナルの設定は大事にします。例えばミッキーの場合は、描かれた時代によって、黒目だけの時代とか、白目が入った時代とかあるんですが、その目によって、その時代以外のファッションは着せない、という世界観があるんですね。

古賀 feebeeさんがおっしゃったように、キャラデザインとロゴデザインは一緒じゃないか?と言った事が、ここで再確認出来ますね。ガンダムの世界観が明朝体だとしたら、それをゴシック体に変えたらこう、POP体に変えるとこう、という感じで、世界観ごとフォントを変更していく、という事かもしれませんね。

齋藤 もしも○○だったら?という意味でのシミュレーションですね。

feebee わたしも、スペースインベーダーだとか、あしたのジョーだとか、コラボレーションのイラストを描きましたけど、その人の世界観の中で再現すると、その人のキャラクターになりますね。わたしも、物語を知っておこう、という事で全巻原作を読みましたし、かなりキャラクターにのめりこんで描きましたけど、それをわたしの世界観の中で描きましたから。
ジョーでいうと髪型に特徴があったので、落とし込みたかったです。キャラを自分の世界観でコスプレさせる感じですね。

●プロセスから観たキャラクターづくりの本質

齋藤 最後に、これからキャラクターを描いてみよう!と思ってくれた方に、何かアドバイスいただけますか?

古賀 自分の世界をビジュアルに落とし込むという事を、話ながら気がついたんですが(笑)自分のフィルターを通す事をやってみてください。オレの考えた桃太郎、でもいいと思うんで。ビジュアルと、世界観と、あとは自分が入って、初めてキャラクターが生まれると思いますので。

feebee いろんなものを観て、自分が好きな形、色合いなどを探してみて下さい。音楽が好きだったら、音楽をイメージにしてもいいし。好きなものをいっぱい集める事です。何もない自分からは何も生まれないので。好きなものをいっぱい持ってきて、積み重なったところから、色々そぎ落として作品にしていくといいと思うんです。自分の「好き」が何かを確認して下さい。

TOKYOGUNS 自分のベーシックを作る事ですね。それはやはり自分のフィルターによるものだと思うけど、そこからいろんなものにフィルターをかけて見てみる。軸足が出来てくれば、そこから、どんどん広がって行くと思うので。すごくしんどいんですけど、そこは苦労するしかない、という事でしょうかね。結局、キャラクターの物語をつくるためには自分の内面、経験が必要だと思うので、失敗もたくさんしながら経験を積んで下さい。

齋藤 ありがとうございました。みなさんも、一度、キャラクターづくりに挑戦してみて下さい。

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■実際にキャラクターのビジュアルを作りながら、参加した学生たちと一緒に、キャラクターの事を考察。和気あいあいとしたムードのトークショーとなりました。再録をお読みになって、自分でもキャラクターを作ってみよう!という気持ちになった方、ぜひともチャレンジしてみてください!

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