【半期分を一挙公開!デザイン業界セミナーレポート】 (株)フェリシモ × イラストレーター山崎氏 「情報×デザイン=∞」

2017.08.10

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ヒット商品の企画にも、印象的なイラスト制作にも共通。
情報のインプットとアウトプットが、デザイン力を高めるキーワード!

2017/6/17(土)、北野館のホワイエでグラフィックデザイン学科を対象にした「クリエイティブセミナー」が開催されました。株式会社フェリシモの経営企画室広報部部長の吉川公二氏と、イラストレーターとして活躍されるthe rocket gold starの山崎秀昭氏に「情報×デザイン=∞」というテーマで語っていただきました。山崎氏がフェリシモが開発した、積むのではなく組む新しい玩具「KUUM」を使って作品を描くイベントに参加したことがあり、吉川氏と交流を持たれていることからお2人でのセミナーが実現しました。

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良い企画を生み出すには、アイディアの引き出しを増やすためのインプットと
クライアントの思いをしっかり聞きこむことが大切。

株式会社フェリシモは、自社企画商品を中心にダイレクトマーケティング事業を展開。「KUUM」や「500色の色えんぴつ」などの独創的な商品を生み出せる理由は、顧客のニーズをとらえた企画力にあると吉川氏は語ります。「弊社では自分たちで企画したものを専門職のクリエイターなどに作ってもらいます。そのため商品企画は、形・色・大きさ・値段まで「デザイン」し、その意図や理由まで極めなければならないと考えています。それはクライアントの思いをしっかり聞き込まなければできません。そして提案するには、たくさんの引き出しが必要なので、企画職は常にインプットを心がけています」と商品づくりの姿勢を教えていただきました。

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仕事へのこだわり。イラストでポスターにインパクトを!
運河も海も山もある神戸の風景に500人もの人々を描く。

漫画や絵本の制作、広告、壁面アートなどマルチに活躍されているイラストレーターの山崎氏は、自らが手がけた「イオンモール神戸南」のオープン告知のポスターを紹介。たくさんの人々が描かれたポスターを前に「ここに描いたのは500人」と話すと、学生たちからは驚きの声が上がりました。そして「それぞれ表情やポーズが違います」と続けます。そこまでこだわった理由を「通行人の視界に入れるにはインパクトが必要。運河も海も山もある神戸の風景に500人の人々を描くことでそれが実現できたと思う」と語り、ポスター制作の意図まで教えてくださいました。

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コラボレーションから生まれる新しい世界の魅力。
新たな気づきに、学生たちのモチベションも向上!

山崎氏は、フェリシモが開発した「KUUM」で遊んだとき、知らぬ間に40分ほど夢中になっていたとのこと。自身の「いろ色」という作品は「KUUM」の美しい色彩とユニークな形状のピースを並べる中で、俯瞰で見たときに何かの形になればとイラストを描き加えたもの。「立体としても面白いものになった」とコラボレーションから生まれた新しい世界の魅力を語りました。クリエイターとして自ら体験されたエピソードを詳しく語っていただき、学生にとっては、またとない学びの場となりました。

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インプットとアウトプットを
繰り返すことで新しいことが生まれる。

株式会社フェリシモ 
経営企画室 広報部部長 
吉川公二氏
(写真:右)

広報の仕事の魅力は、たくさんの人にお会いできること。インプットとアウトプットを繰り返していく仕事なので誰かとコミュニケーションすることは非常に大切。そこは広報も広告に携わるクリエイターも同じだと思います。今弊社が考えているのは、全国にいるたくさんのお客様の尖がったニーズをくみ取って事業化していくこと。例えば「フェリシモ猫部」は社内の猫好きが集まる部活動でしたが、犬猫の殺処分をゼロにしようというミッションを掲げて、猫関連のグッズを企画しWebサイトやSNSで広めたんです。そんなフェリシモ流の旗の立て方を進めたい。ある画家が話していました。学生時代に絵の勉強が嫌になったとき、学費を計算したら1コマの受講料が5千円になったそうです。5千円あれば映画なら3回以上行ける。これは親に大変な負担をかけていると思い勉強するようになり、基礎を学んだことが自分に本当に役立っていると。今の学生さんも広い世界で高等教育を受けられる人はほんの一握り。周囲の応援や苦労があってのもので、当たり前ではなくありがたいことだと気づいてほしい。それに気づくと勉強への取り組み方が変わるはずですから。

学んだことは必ず将来に
役立つことを知ってほしい。

the rocket gold star
イラストレーター 
山崎秀昭氏
(写真:左)

500人を描いたポスターのイラストにかけた時間は5日ほど。作業している間は修行みたいでした(笑)。小さいころから絵を描くのが大好きでしたが、画家で生活するのは厳しいと知ってからイラストレーターを志しました。大学にイラスト専攻がなく、仕事を求めてファイルに詰め込んだ作品を出版社に送ったり、東京の出版社の編集部にアポなしで行ったり、今考えると無茶な行動もしました。8年ほどアルバイトをしながら、30歳の時にイラスト一本でやれるようになったんです。イラストを通して漫画、絵本、広告などに関わり、そして被災地の子どもたちと交流したりしますが、「面白いことを考えて作ること」の楽しさを伝えたいと思っています。学生のみなさんには「まじめに授業を受けよう」という、これまでの人生で痛感している思いを伝えたい。私もサボったことがありましたが、一人でやっていけるようになるまで苦労しました。授業にまじめに取り組んでいれば苦労は半分になったかもしれない。社会に出てからは働かなければならず、勉強する時間が限られてくるので取り返すのにサボった以上の時間がかかることを知っておいてほしいですね。

【関連ページ】
・株式会社フェリシモ
・The rocket gold star ザ ロケット ゴールド スター
・神戸電子専門学校 グラフィックデザイン学科(グラフィックデザイナー・Webデザイナーを育成する学科)の紹介ページ
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