【セミナーレポート】建築家 松本 直樹氏による建築インテリア業界セミナーを開催!

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一級建築士が語る建築の仕事と建築家に必要なこと

2018/12/8(土)、北野館ホワイエにて建築・インテリア業界セミナーが開催されました。
一級建築士事務所 アトリエ N-sizeの松本直樹氏をゲストに迎え、建築家の仕事とはどういうものかを松本氏が手掛けた建築事例をもとにお話しいただきました。
松本氏は大学を卒業後、丁寧なモノづくりに惹かれて、建築家 竹原義二氏に師事し「無有建築工房」に入社。在籍時は住宅設計を主に担当し、2006年、「一級建築士事務所アトリエN-size」を設立されました。
住まい手との対話を重視し、素材感があって、心地よく、そして永く居たいと感じるような住まいづくりを目標とし、住宅を中心にさまざまな建築物を設計する建築家として活躍されています。
セミナーはご自身の経歴に沿って進められ、その時々にふれた建築に対する感想や、図面や建築現場の写真を用いた事例紹介を交え、当時の様子を振り返りながら建築家としての想いを語っていただきました。

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まず最初に身近な建築から触れて欲しいとの事で、ご自分の体験談をもとにお話いただきました。
大阪の羽曳野に住んでおり、小学生の頃に近くの古民家:吉村住宅の空間にふれた際、当時はきれいな空間だなという程度の印象だったそうですが、事務所で手に取った書籍で「日本の民家」という本の表紙になっていたことを知り、身近にすごい建築があったことに気づかされたそうです。
わざわざ遠出をしなくても身近によい建築がたくさんある事が多いので、入ったときに「違う空気感」を感じることができる建築にふれることを学生に勧めてくださいました。

次に学生時代をお話になり、当時の恩師が手掛けた校舎に感銘を受けたと同時に、恩師以外にも建築事務所などで実際に仕事をしている方が講師として来てくださる事が多く、
それぞれの方から経験値を活かした多様なアドバイスを頂いたことで沢山のことを吸収でき、さまざまな人の体験やモノづくりの姿勢を感じることは大変貴重だと実感されたそうです。
神戸電子専門学校も同様に、担任の先生だけでなく、さまざまな経験を持ったモノづくりのプロである講師から学べる学校なので、そのような環境で建築を学べることはとても有意義だと思いますとお話しくださいました。
また技術面では、建築・空間デザインを構成する要素として、「形」「素材」「光」「色」そして「構造」が絡み合って構成されているといった、理論的なことも取り入れながら分かりやすく説明してくださいました。

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続いて「無有建築工房」時代のお話を、手掛けた建築物を事例に挙げながら紹介していただきました。
設計当時の手書き図面を紹介しながら、制約のある中でどういう工夫がなされたかといった話は興味深く、出来上がった建物の空間の写真はとてもすばらしいものでした。

「無有建築工房」所長の竹原義二氏は、素材を活かした設計に定評があり、数々な建築界の賞を受賞している著名な建築家です。技術はもちろんのこと、どんな建物でもすぐ建つものでは無いという考え方のもと一つ一つ丁寧に取り組んでいく姿勢や、職人さんに依頼をするのであれば、伝える側も詳細まで設計図面を描き込み、そしてコミュニケーションを取りながら進めていくといった仕事の進め方などは、独立した今でも松本氏の礎となっているとの事でした。

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アトリエN-size設立後の事例では、「千里丘の家」「工房のある家」の2つを紹介いただきました。
限られた土地に素材感あふれる空間が出来上がるまでの過程や、環境の変化に合わせて自分たちでカスタマイズできるように工夫された住まいづくりについてお話いただきました。

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いい住宅・建築とは「クライアント(建築主)と施工者、建築家の3者の関係が良いことやコミュニケーションが取れていることが大切。どんなに技術が発展してもつくるのは人であり、使うのも人」と松本氏。
「建築家という仕事は、常に新しい場所で新しい家族との出会いがあります。そこでの想いを形にして、職人と創っていきます。同じ仕事はひとつもありません。毎回違うといった面白さがあります。そして建築はその場で永く残っていきます。だから、一つ一つ丁寧に、真摯に向き合っていくことが必要な職業だと思います。」と締めくくられ、建築家としての仕事の在り方を学生たちに熱く語っていただきました。

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