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「あれ?」から始まる疑問。ゲームと映画の3DCGって同じじゃないの?
『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』
— 『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』公式 (@mariomoviejp) March 9, 2026
˗ˋˏ⭐️ 最終トレーラー公開 ⭐️ˎˊ˗
力を合わせて銀河<ギャラクシー>を救う旅へ。
4月24日(金)公開🎬#映画スーパーマリオギャラクシー#SuperMarioGalaxyMovie pic.twitter.com/6aQGZiKfdn
※2026年4月掲載の記事です
映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』が、公開され連日さまざまなテレビ番組やCM・SNSなどでのプロモーションを見かけます。ゲームでも、映画の前作『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』でも楽しませてもらった人は多いかと思います。
筆者も楽しませてもらった1人ですが、ふと思いました。
「映画のキャラクターって、ゲームで使ったデータを流用するのかな・・・?」
ゲームも映画も3DCGが使われています。ですので、一見すると同じ技術のように思えますよね。しかし、その裏側には“作り方の違い”があるのです。
そこで今回は、先生へのインタビューも交えながら、ゲームと映画の3DCGの違いを分かりやすく解説していきます。
3DCGアニメーション学科 先生紹介
インタビュー協力 戸山 由貴孝先生
モデリング担当
神戸電子専門学校を2017年に卒業。3DCGモデラーとして、ゲーム作品などに携わる。CG業界にて活躍後、後進を育てるために母校にて勤務。得意なCGは、セルルックの表現(従来の手描きアニメ-ションのように見せる手法)。好きなマリオは、たぬきマリオ。
まずは整理!そもそも3DCGとは何か

3DCGとは、コンピューターの中で立体的な形を作り、それを映像として表現する技術のことです。
例えば、次のような場面で使われています。
- ゲームのキャラクターや背景
- 映画やアニメの映像
- CMやミュージックビデオ
制作の基本は共通しており、主に以下の工程で作られます。
- モデリング:形を作る
- テクスチャ:色や質感をつける
- レンダリング:映像として書き出す
では、ここからどこが違ってくるのでしょうか。
大きな違いはここ!「リアルタイム」と「事前レンダリング」
ゲームと映画の3DCGの最大の違いは、「いつ映像を作るか」です。
ゲームの3DCG:リアルタイム処理
ゲームでは、プレイヤーの操作に合わせて、その場で映像を作っています。
これを「リアルタイムレンダリング」と呼びます。
先生によると、ここにはこんな工夫があるそうです。
「リアルタイムはハードウェアに負荷がかかるので、どこでポリゴン数を調整するかなどの工夫が必要になります」

ポリゴンとは、3DCGの形を作る小さな面のことです。ポリゴンが小さく、多くなればそれだけ細かい表現が可能です。しかし、それはコンピューターに多くの処理をさせることになります。
つまりゲームでは、「軽く動かしながら、どれだけきれいに見せるか」がポイントになります。
映画・アニメの3DCG:事前レンダリング
一方で映画やアニメでは、「事前レンダリング(プリレンダリング)」という方法が使われます。これは、あらかじめ時間をかけて映像を完成させておく方法です。
ゲームと決定的に違うのは、ユーザーが見る瞬間にコンピューターがポリゴンを計算する必要がないという点です。すでに完成した「映像データ」を再生するだけなので、どれだけポリゴンを細かく大量に使っても、視聴側のデバイスに負荷はかかりません。
先生は次のように話しています。
「プリレンダリングの場合は、時間をかけて質感で『おっ』と思わせる作り方ができます」
その分、制作側は1コマ(1フレーム)に多くの時間をかけて、
- 宝石のような複雑な光の反射
- 何万本もの髪の毛の自然な動き
- の場の空気感や温度まで伝わるような質感
といった細かな表現まで丁寧に作り込むことができます。
だから見え方が違う!それぞれの“面白さ”とは

ここまでの内容を整理すると、それぞれの特徴は次の通りです。
ゲームにおけるCG表現の特徴
- 操作に合わせてリアルタイムで動く
- 動きながらきれいに見せる工夫がある
映像(映画・アニメ)におけるCG表現の特徴
- 事前に時間をかけて制作する
- 圧倒的な映像美を追求できる
ここで大切なのは、「どちらが優れているか」ではないという点です。目的が違うからこそ、それぞれに面白さがあるのです。
現場の視点で見るとどう違う?先生に聞いてみました

では、実際に制作を教えている先生はどのように感じているのでしょうか。今回お話を伺った戸山先生は、こう語っています。
「どちらも使い分けの問題です。同じ3DCGでも、目的によって作り方が変わります」
さらに印象的だったのは、「どう見せるか」という考え方です。
- ゲーム:制約の中で工夫して魅せる
- 映像:時間をかけて魅せる
同じ“魅せる”でもアプローチが違うところが、とても面白いポイントです。
学生の作品づくりで大切にしていること

神戸電子の3DCGアニメーション学科では、3DCG制作を通して「自分の好き」を大切にしています。
先生は次のように話していました。
「高校生のうちに、自分が衝撃を受けた作品に出会ってほしいですね」
例えば、
- かっこいいキャラクター
- 可愛いキャラクター
- SFの世界観
- 息をのむアニメーション
どんなきっかけでも構いません。
「これを作ってみたい」という気持ちが、成長のスタートになります。
実際に、作品制作で活躍した学生も、
好きなアニメの世界観をきっかけに制作に取り組んでいました。
絵が得意じゃなくても大丈夫?よくある疑問に答えます
進路を考えるときによく聞かれるのが、「絵が得意じゃないとダメですか?」という質問です。
これについて先生は、はっきりとこう答えています。
「描くこと以上に、大事なのは立体を理解する力です」
もちろん、絵を見ることや表現することが好きであることは大切です。
しかし、それ以上に「形を捉える力」や「考える力」が重要になります。
ですので、未経験からでもしっかり学ぶことができます。
先生も注目する3DCG作品とは?
「これを作ってみたい」という気持ちを見つけるためには、さまざまな作品と出会いみなさん自身が「感動する」ということが大切です。最後に、戸山先生が個人的に「これは見て欲しい」と思う作品を教えていただきました。
『アーケイン(Arcane)』

戸山先生「そうですね、1つは海外アニメの『アーケイン(Arcane)』です。Netflixで配信されている『リーグ・オブ・レジェンド』を題材にした作品ですが、3Dと2Dを融合させたビジュアルとアニメーションの完成度が素晴らしいです。」
『プラグマタ(PRAGMATA)』のトレーラー

戸山先生「最近だと、カプコンの『プラグマタ(PRAGMATA)』のトレーラーには衝撃を受けました。スーツのかっこよさや、一緒にいる女の子の表現など、「こんなものを作るのか」とワクワクしましたね。こういう大きなプロジェクトに関わる仕事にはやりがいがあるだろうなと感じます。」
まとめ:違いを知ると、もっと面白くなる
今回は、ゲームと映画の3DCGの違いについて解説しました。ポイントは次の通りです。
- ゲームはリアルタイムで動く
- 映像は事前に作り込む
- 目的によって作り方が変わる
そして何より大切なのは、「好き」という気持ちです。
- 「この映像すごい!」
- 「自分でも作ってみたい!」
そう思った瞬間が、最初の一歩になります。
みなさんもぜひ、ゲームや映画を見るときに「どう作られているのだろう?」と考えてみてください。
新しい発見があるかもしれません。一度、3DCGツールを触ってみると、より具体的に考えられるかもしれませんよ。





