「専門学校から有名IT企業を目指すのは難しい?」——そんな疑問に挑戦する学生たちがいます。神戸電子専門学校のWebコミュニティ「We部(うぇぶ)」では、チーム開発や長期インターンを通して、実務に近い経験を積みながら成長中。AI時代の新しい学び方や、IT業界で求められる力について、学生たちの取り組みを通して紹介します。
「エンジニアになりたい」「有名サービスの開発に関わりたい」。
IT分野を目指す新入生・高校生の中には、そんな夢を持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし近年、IT業界の就職活動は大きく変化しています。
特にメガベンチャーと呼ばれる大手IT企業では、「学生だから」という理由だけでは評価されにくくなってきました。
そこで今、神戸電子専門学校の学生たちが、自ら新しいコミュニティを立ち上げています。
その目的は、「実務経験」を武器に、専門学校生でも第一志望の企業を選べる立場になることです。
今回は、長期インターンやチーム開発を軸に活動する部活「We部(うぇぶ)」の取り組みについて紹介します。
新卒就活の「常識」が変わってきている
IT業界では近年、「新卒採用なのに中途採用レベルのスキルを求められる」と感じる学生が増えています。
今回話を聞いた学生も、実際にインターンや就職活動を通じて、その変化を強く感じたそうです。
特にWeb系のメガベンチャーでは、単なる学習経験だけではなく、「実際に開発現場で何を経験したか」が重視される傾向があります。
例えば、面接では次のような質問が増えているそうです。
- なぜそのサービスを作ったのか
- なぜその技術を選んだのか
- チーム開発でどんな役割を担ったのか
- ユーザー課題をどう発見したのか
つまり、「作ったことがある」だけではなく、「なぜ作ったのか」まで説明できる必要があるのです。
“実務経験”が求められる時代に
ここでいう「実務経験」とは、単なる授業課題ではありません。
企業の現場で、給与を受け取りながら責任を持って開発を行う経験を指しています。
学生たちは、長期インターンを通じて次のような力が身につくと話します。
- チームで開発する力
- Gitを使った共同開発の経験
- 実際のプロダクト運用の流れ
- ユーザー目線で考える力
- 仕様を整理して伝える力
特に近年は、生成AIの発展によって「コードを書く」だけの価値が変化しています。
ですので、「どんな課題をどう解決するのか」を考えられるエンジニアが、より求められているのかもしれません。
学生たちが立ち上げた、部活「We部(うぇぶ)」とは?
ITの学生たちが立ち上げた「We部」のWebサイト
そんな背景から、神戸電子専門学校の学生たちは、自主的なWebコミュニティを立ち上げました。
目的はシンプルです。
「専門学校生でも、納得できる企業に挑戦できる環境を作ること」
このコミュニティでは、単なる勉強会ではなく、実践的なチーム開発を中心に活動しています。
ただの“部活”ではなく、“プロジェクトチーム”に近い存在
学生たちは、この活動を「部活」ではなく、「コミュニティ」と呼んでいます。
例えば活動では、
- 課題発見からサービス企画まで行う
- チームで役割分担する
- GitHubでコード管理を行う
- レビューを受けながら改善する
- 実際にWebサービスとして公開する
といった、実務に近い流れで開発を進めています。
さらに特徴的なのが、「なぜ作るのか」を非常に重視している点です。
学生たちは、「とりあえず作る」のではなく、
- 誰の課題を解決するのか
- なぜ必要なのか
- どうすれば使いやすくなるのか
を考えながら開発を進めています。
チーム開発が“コミュニケーション力”を育てる
ホワイトボードに付箋を貼ってアイデアを整理することも
IT業界に対して、「一人で黙々と作業する仕事」というイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし実際には、エンジニアこそコミュニケーションが重要だと学生たちは話します。ただし、それは単なる雑談力ではありません。
エンジニアに必要な“伝える力”とは
例えばチーム開発では、
- コードの意図を共有する
- レビュー内容を相手に伝える
- 仕様変更を整理する
- Gitのコミットメッセージを書く
- 設計の考え方を説明する
といった場面が日常的に発生します。
つまり、「技術を相手に伝える力」が必要になるのです。
開発中に困ったことなどをチーム内で発表をしてもらうことも
学生たちは、「コミュニケーションが苦手でも、チーム開発を通じて自然と身につく部分がある」と話していました。
これは、本校の学生にとっても大きな学びになるかもしれません。
“まず作る”時代へ。AI時代の学び方の変化
今回の取材で印象的だったのは、「勉強の仕方が変わってきている」という話でした。
以前は、
という流れが中心でした。
しかし現在は、生成AIの登場によって、「まず作ってみる」という学び方が主流になりつつあります。
例えば、
- AIにコードを書いてもらう
- 書いてもらったコードを、AIに質問する
- 実際に動かしながら理解する
という学習スタイルです。
もちろん基礎知識は大切です。
しかし、手を動かしながら学ぶ重要性は、以前よりさらに高まっているのかもしれません。
“専門学校だから無理”ではない
学生たちは、「専門学校だから難しい」とは考えていません。
むしろ、
- 早い段階から手を動かせる
- 制作中心で学べる
- アウトプット経験を積みやすい
という強みもあると話します。
一方で、実務経験の差がそのまま就活の差につながる時代でもあります。
だからこそ、今回のような学生主体のコミュニティ活動には、大きな意味があるのかもしれません。
これからIT業界を目指すみなさんへ
IT業界は、変化が非常に速い世界です。
数年前の常識が、今では通用しなくなることも珍しくありません。
しかし、その変化を「面白い」と感じられる人にとっては、とても刺激的な分野でもあります。もし、
- ものづくりが好き
- 新しい技術に触れたい
- チームでサービスを作ってみたい
- 自分のアイデアを形にしたい
と感じるなら、一歩踏み出してみる価値はあるかもしれません。
神戸電子専門学校でも、多くの学生たちが「創って学ぶ」経験を積みながら、それぞれの目標に向かって挑戦しています。
今回紹介したコミュニティも、その一つです。
興味を持った方は、オープンキャンパスなどで実際の学生の話を聞いてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回紹介した学生コミュニティの取り組みからは、「待つ」のではなく、「自分たちで環境を作る」という強い意志を感じました。
IT業界では今後も、AIやクラウド、Web技術などを中心に、大きな変化が続いていくでしょう。
その中で重要になるのは、「どれだけ手を動かしてきたか」「どんな経験を積んできたか」です。
そして、その経験は、授業だけではなく、自主的な挑戦の中から生まれることもあります。
この記事が、これからIT業界を目指す高校生や保護者の皆さんにとって、進路を考えるきっかけになれば幸いです。